岩手県釜石市中妻町2丁目2-11
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不正競争防止法違反「営業秘密の侵害」について

岩手県釜石市の税理士・行政書士の事務所です.

令和3年7月15日、元従業員が不正競争防止法違反「営業秘密の侵害」の罪で逮捕され、8月4日、建造物侵入の余罪も含め盛岡地検が略式起訴し、罰金50万円の略式命令を受けました。
「営業秘密の侵害」の逮捕は岩手県初で、全国的にも数少ないとのことです。
岩手県警察本部の生活安全特捜隊長が指揮を執り、釜石警察署および遠野警察署の捜査員が休日返上で地道な努力を積み重ねた結果、異例のスピード解決となりました。
しかし、東京オリンピックの開催やMLB大谷翔平選手の活躍でマスコミに大きく取り上げられることなく、世間一般に注目されることはありませんでした。

それでは、今回の事件が不正競争防止法違反に発展した経緯について簡単に説明します。

元従業員が退職した翌週に、担当顧問先名義で以下の契約解除のFAXが大量に送られてきました。

実際に送られてきた契約解除のFAX

これはおかしいと会計システムを調査したところ、担当顧問先の会計データ過去5年分が直近日時に更新されていたことに気がつき、会計データが抜き取られた可能性あるということで釜石警察署生活安全課に相談し、当事務所の調査が行われました。
その際に、元従業員が使用したパソコンおよび会計システムの操作履歴から、担当顧問先の会計データ5年分のファイルをUSBメモリーに保存していたことが判明しました。
当事務所と元従業員が転職した遠野市の税理士事務所で使用している会計システムが同一システムであることから、会計データの流用が目的であることが明確となり、不正競争防止法違反事件に発展したと思われます。
転職先の税理士事務所の家宅捜索では、USBメモリーに保存した会計データを転職先の会計システムに登録し、証拠隠滅のために削除した操作履歴が記録されていたとのことです。
また、元従業員は退職前に担当顧問先を訪問し、当事務所の信頼を損なう虚偽の情報(顧問料を4倍に値上げするなど)を流して相手を信用させ、担当顧問先ほか数十社の顧問契約の解除や転職先の税理士と顧問契約させたことも、捜査によって明らかとなりました。

今回の事件を知り、同様な問題を抱えている他県の税理士事務所から問い合わせをいただきました。
税理士は、税理士法によって「秘密を守る義務(法第38条)」や「税理士の使用人等の秘密を守る義務(法第54条)」、「使用人等に対する監督義務(法第41条の2)」が課せられております。
特に法第41条の2は、「税理士は、税理士業務を行うため使用人その他の従業者を使用するときは、税理士業務の適正な遂行に欠けるところのないよう当該使用人その他の従業者を監督しなければならない。」と規定されています。

今回は、不正競争防止法違反について書きました。
Googleで「釜石市 会計 顧客 逮捕」と検索すれば、当時のニュースのキャッシュや関連記事などが残っているかもしれません。
何かの参考になれば幸いです。

※2022/04/05追記。

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